一番安い箱が、一番高い1杯でした。日用品10ジャンルで単価を計算した話

日用品の比較記事を10ジャンル書きました。そのあいだに、比較表へ必ず入れる列がひとつ決まりました。「1回あたり」です。
理由はひとつで、この列を作ると順番が入れ替わるからです。
一番安い箱が、一番高い1杯だった
最初に驚いたのはドリップコーヒーでした。
候補に並べた5商品のうち、いちばん安い箱は約1,283円、いちばん高い箱は約4,633円でした(いずれも2026年8月時点のAmazon表示)。3.6倍の開きです。
ところが1杯に直すと、安いほうが約64円、高いほうが約46円になりました。逆転しています。
計算を間違えたと思って2回やり直しました。間違ってはいませんでした。1,283円のほうは20杯入り、4,633円のほうは100袋入りだった、というだけの話です。
そのうえ、1杯がいちばん安かったのは約3,336円の商品で、1杯あたり約33円でした。箱の値段では3番目に高い商品です。
逆転が起きるパターンは3つでした
10ジャンル分ためてみると、この入れ替わりが起きる理由は3つに絞れました。
1つめは、お試しサイズです。
小さいパックは1回あたりが高くなります。汗拭きシートだと、20枚入りが1枚あたり約23円、90枚入りが約13円でした。パックの値段は前者のほうがずっと安いのに、拭く1回で見ると倍近く違います。
2つめは、重いもの・かさばるものです。
猫砂がわかりやすい例でした。1Lあたりで最も安かったのは、袋の値段では最も高い約3,707円の商品で、1Lあたり約88円。逆に、袋の値段が2番目に安い約1,100円の商品は、1Lあたり約200円でした。運ぶのが大変なものほど、大容量に割引が寄っています。
3つめがいちばん厄介でした。1回に使う量が、商品ごとに違うことです。
入浴剤を調べていて気づきました。1回に1袋のものもあれば、3錠まとめて入れて1回、という設計のものもあります。後者は1回あたり約275円でした。同じ棚に並んでいる粉末タイプの最安は、1回あたり約11円です。25倍の開きがあります。
内容量を見るだけでは、この差は見えません。「◯g入り」の下に「1回◯g使う」が書いてあって、はじめて回数が出ます。
順番がほぼ裏返ったジャンル
いちばん極端だったのは猫砂でした。
袋の値段の安い順と、1Lあたりの安い順を並べたら、ほとんど反対になっていました。値札だけで選ぶと、いちばん高くつくものを選びかねない構図です。
猫1匹・月7Lで換算すると、月のコストは約620円から約1,400円まで開きました。1年で9,000円ほど違います。
ただし、この換算には幅があります。猫の体格やトイレの数で消費量は月5〜10Lくらいまで動くので、「だいたいこのくらい」以上のことは言えません。単価の計算は、桁と順番を見るためのものだと思っています。小数点以下を詰める作業ではありません。
それでも、単価で決めないほうがいいとき
ここまで書いておいてなんですが、全部を単価で決めるのは違うとも思っています。
猫砂は、猫が使ってくれなければ1Lあたりの安さに意味がありません。実際、1万件を超えるレビューが集まっている定番の商品は、単価では高いほうでした。それでも選ばれ続けているのは、受け入れられやすさにお金を払っている人が多いからだと思います。
入浴剤の1回275円も、香りと湯ざわりを買っているのであって、11円の粉末と同じ土俵に乗せる意味はありません。
お試しサイズの割高も、合わなかったときの損を減らす保険料だと考えれば、無駄ではないはずです。20杯で1,283円は、100杯を買って口に合わなかったときより安く済みます。
単価が効くのは、「同じ目的で、どちらを買っても満足できそうな商品」が2つ以上並んだときだけです。そこから先まで値札で決めると、たいてい損をします。
買う前の30秒でできること
やることは3つだけです。
- 内容量を「回数」に直す(内容量 ÷ 1回に使う量)
- 価格 ÷ 回数
- 安いと思っていた商品が、何番目に落ちるかを見る
入れ替わらなければ、そのまま買えばいいと思います。入れ替わったときだけ、少し考える価値があります。
10ジャンル分やってみて思ったのは、値札は「1回いくら」を隠している、ということでした。隠すつもりがあるわけではなくて、単に書く欄がないだけです。だから自分で作るしかありません。
比較表に「1回あたり」の列を足したのは、そういう理由です。
数字の内訳を置いている記事
この記事に出した換算は、次の比較記事で1商品ずつ計算したものです。内訳はそちらに書いています。
- ドリップコーヒーの選び方|1杯単価×粉量で5商品を絞る【2026年8月】
- 猫砂おすすめ5選|素材別の月コストと流せるかで選ぶ【2026年8月】
- 入浴剤はどれを選ぶ?1回11円から275円まで6商品を比較【2026年8月】
この整理が買い物の役に立ったら、スキで教えてもらえると次の調査の励みになります。日用品の下調べを続けているので、フォローしてもらえると新しい記事が届きます。
この記事を書いた人
ものしらべ|低評価レビューまで読んでから買う人。
日用品と消耗品の比較を、低評価レビューの争点分析と単価換算つきで出しています。次は防災用の簡易トイレと非常食を調べる予定です。